@ アフター @

君は倍音の響きで
ささやく
僕は君を抱きたくて
・・・抱いた

優しい易しい体温は
心と体の上をなぞる
変温動物のように
僕は温度を吸収する

恋人のように
愛人のように
娼婦のように
君は性を連れてきていたから

夕闇に滲んでいる大きな月みたいに
裏側に二人で落ちてゆく
ゆるやかに

どこに落ちてゆくのか
どうなってしまうのか
なんて考えない
こんな時間になんてことも
何も・・・考えない

ほっとひといき
かじりかけのりんごを渡される
汗かいた飲みかけのジュースを飲む
ベットの上で言葉を失っている

音楽でもかけようか
そんな風にいってみる
一緒に暮らそうか
なんていってみる

君は何もいわない
雨みたいに時間が過ぎてゆく


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