-- 春の空耳 --
金木犀の枝の先は
雀が囀っている
黒い野良猫は
勝手に歩いている
きっと
誰も知らない昔からだよね
ねぇ忘れないでボクのこと
人知れず春になっているから
木蓮のつぼみは
白く膨らみ
メダカは水色を
スイスイ泳ぐ
ねぇ忘れないでアリのこと
ぞろ、歩いているかもしれない
恐らく
太古の時代から
幾つもの抜け殻は土に帰り
雨のシャワー浴びて
虹に夢を重ねた
そんな風に
ボク達は作られたんだ
きっと
誰も知らない未来への贈物だよね