--- サガシモノ ---

昔買った組立式のロールトップデスク
引出しは全部で7つ
壊れた部屋が1つ
開かずの間になっている部屋は1つ

過去をひっくり返して
記憶もひっくり返して
探せるところは全部探したのに

そんな時キミに会って
久しぶりなんていいながら
用意していた用事をいって別れた

本当は助けを求めていたのにね

この頃1日の半分は探し物しているかもしれない
いやずっと前からそうだったのかもしれない
これからもっと増えるのかもしれない

・・・探せるところは全部探したんだ
・・・探したのに

今日も何もみつからなくて
誰かの気持ちとか
自分の本意とか
見つからないものばかりだ

それを知るのはずっと後のことなんて
物語のナレーションみたいにいっても
少しも魔法なんか展開されずに
粘度みたいな現状が落ちているだけ

本当になくしたものなの?
最初からないんじゃない?
なんてキミはいうだろうな

いつのまにかキミにいわれることを考えている
いわれたいと思っている

探し物見つかったかしら
そう、まだなの?一生探し続ければいいのよ
ワタシは見つけたワよ

そういいながらキミはニッコリして手を繋いだ
シミュレーションは現実になった

その瞬間
物理的にも論理的にも
記憶のシコリが無くなるのを感じた
性の差かなぁ性格の差かなぁ

なんだかバカみたいだ


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