--- ある時間 2 ---
彼女は右の扉から
彼女は次の駅で左の扉から
頬骨がやや出ている顔立ち
2人はそれぞれ左右の扉側で
イアホーンをつけ
視線を外に向けている
2人は似ている
朝
いつもの電車の
いつもの車両に
いつもの駅から
乗ってくる
それを感じているのは
この車両で、いや日本でボクだけだろう
勿論当の2人は知らない・・・
筈だが
でも実は
生き別れた姉妹だったり
不仲な姉妹だったり
遠い親戚だったり
2人は同じ駅で降りる