--- ある時間8 ---

6ヶ月ぶりに
いつもの電車に乗って
出勤することになった
別のところで仕事をしていたんだ

いつものメンバーに会うのは
密かな楽しみ
会話を交わしたことなんてないのにね

久しぶりだねって
思ってくれる人はいるだろうか
おはようって
思える人はまだいるだろうか
どんな仕事してたの
なんて聞いてくれたら嬉しいな

一番あいたかったのは
化粧と煙草の匂いがしていた
でもある時から煙草の匂いが消えてしまった
女性

彼女はまだあの時間に乗っているだろうか

彼女は大きなおなかを抱えて
乗ってきた
こっちはあわてて
君の父親みたいな気持ちになって
君もそんなボクを感じていたと思う

彼女はいつもの駅で降りていった
それからボクは君のおなかに触れた

ボクもいつもの駅で降りた

妙に空が広いと思ったら
大きなビルが1つなくなっていた


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